菊の湯
オーナー: 菊地 徹
銭湯とは日本の家庭にお風呂がなかった時代に生まれた日本の独自の文化で、大きな湯船に地域の人たちと一緒に入る公衆浴場のことです。銭湯の起源は日本史においてさまざまな言われがありますが、おもに庶民の間で親しまれ、発展したのは江戸時代だと言われます。JR松本駅から徒歩13分の銭湯『菊の湯』も創業100年、地元で長く愛されてきた銭湯です。もともとは材木屋で働く職人たちのために始まりましたが、現在は近隣の人々や登山客にも人気のスポットとなっています。市内のお湯を山の恵み」という人もいます。それはなぜか? そもそも松本市は名水の街としても知られていますが、街のあちこちで湧き出る水は周囲の山々から流れてきた伏流水なのです。つまり、山の恩恵を沸かして、市内の銭湯は人々の身体を温めているのです。
また、銭湯『菊の湯』を語る上で欠かせないエピソードがあります。一度は閉店を余儀なくされた前オーナーから向かいにあるブックカフェ『栞日』の店主・菊地徹さんが事業を継承し、リニュアーアルオープンしたのが2020年のことです。日本全国で、銭湯を日本の生活文化資源として保全し、継承して行こうと動きはみられますが、ここ『菊の湯』においても日々、近所の人たちが集う光景を目の当たりにしてきた菊地さんは「この光景と文化を守りたい」と経営を引き継いだのです。新体制となり、ときに番頭を近隣の大学に通う大学生が担うこともある。そのスタイルも、新しい時代の銭湯を物語る一つのカタチだと言えます。
「『菊の湯』は典型的な日本の銭湯で、3種類の大きな浴槽があります。洗面台やシャワーヘッドも多く、浴室とロッカールームは男女別に分かれています。銭湯ではシャワーを浴び、身体を洗ってから湯船に入るのがマナーです。水風呂もあり、水風呂と湯船を交互に楽しむのがツウの楽しみ方です。また、タオルがなくてもご心配なく。ローカルタッチのサービスには、上質の日本製タオルが含まれています。入浴後の休憩も日本の銭湯文化なので、2階の休憩所ではぜひ畳の上に横になってください。湯上りには地元のりんごジュースやお酒をご堪能ください」
菊の湯のあちこちで、地元の人たちがおしゃべりを楽しんでいるのを見かけることができます。地元の人がいかに銭湯を愛し、癒されているかもきっとみて取れると思います。彼らと同じ時間と空間を共有してみてください。
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