栞日
オーナー: 菊地 徹
国内のカルチャーやアート、ファッション系の編集者であれば、松本のブックカフェ『栞日』の名前は、1度は聞いたことがあるかもしれません。リトルプレスと呼ばれる独立系出版物を数多く扱う2階の書店コーナーには、国内外の個性的なZINEやアートブック、絵本など約1500冊もの本や雑誌が並んでいます。また、1階のカフェコーナーは朝7時からモーニングが始まると、終日にわたって観光客や地元の方がコーヒーを飲みながら気になる本を手に取ることができます。
2016年に旧店舗の数軒隣の物件をリノベーションしてオープンした現在のお店の目印は「高橋ラジオ商会」という、かつて電気屋時代だった看板です。「地元の人たちに親しまれた街の景観を変えることなく街並みに溶け込みたい」という店主・菊地徹さんの思いからそのままの外観を残すことなりました。このエピソードが一つのきっかけとなり、2020年には向かいの銭湯である『菊の湯』を事業継承します。当初は代々受け継いできた建物を街のために有効活用できないか、という相談が元オーナーから菊地さんにあったそうですが、結果的に『栞日』が継承することになりました。
また、アパルトメント形式の小さなホテル『栞日INN』も運営していることから、本屋に、宿泊施設に、銭湯に、と菊地さんの事業は多岐に渡っています。そんな中で、2022年には市議選に無職属で出馬すると、トップで当選し、2023年より市議としての顔も持つようになりました。
「なぜ本屋の店主が突然市議に? と疑問に思う方はいるかもしれませんが、そのきっかけは2020年の夏から2021年の春にかけて、松本市の〈基本構想2030〉の策定に市民会議の委員のひとりとして参加したことが大きく影響しています。当時は市民を代表する1人として、市の10年構想に意見することができたんですが、その経験もあって自分の中で徐々に市政に対する思いが強くなっていったんです。現在は市議として働きながらも、立てるときは引き続き、『栞日』の店主として街の声を拾っていきたいと思っています。ここだからこそ、聞こえてくる声があると思っているんです」
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