柳沢林業
担当: 若林 悠平
森林が国土の3分の2を占める森林大国である日本において、松本市が位置する長野県は林業産出額が日本一の県になります。県土の8割を森林が占め、林業が盛んな地域としても知られています。そんな長野県にあっても、柳沢林業は極めてユニークな会社だと言えます。2021年には、「未来を育む持続可能な地域デザイン〔信州・松本平の豊かな風景をつくる〕」としてグッドデザイン賞を受賞。林業を中心に、山と街と人をつなぐ活動が評価されました。なお、グッドデザイン賞とは、60年以上の歴史を持つ、日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨のしくみです。
新林業会社と自らを称する柳沢林業の活動は、多岐に渡ります。山を切る人=きこりならではの知識と感性でデザイン提案するプロダクトデザイン事業、馬搬・馬耕を通じた農林業文化の再生プロジェクト、年2回開催される林業者を中心にしたローカルマーケット『ソマイチ』や『美鈴湖もりの国オートキャンプ場』の運営。さらに数年前からは、荒廃農地を利用して米作りを始め、市内の酒蔵と共同で作った日本酒『山瑞』の販売なども始めています。
「旅行者の方に楽しんでもらうプランの一つとしては、僕らの米作りででた稲わらを使ったワークショップを考えています。かつては米作りを終えた冬の農閑期に作られた日本の伝統的なはき物である草鞋ですが、現代の日本人の多くが編んだこともなければ、履いたことすらないはずです。この草鞋作りのワークショップでは、手で編んだ草鞋で里山を歩く体験までをプログラムとして考えていて、歩き終えたら、羽釜で炊いた完全無農薬で育てたお米も食べて頂こうかと思っています」
そのほかには、同じく稲わらを使ったしめ縄リース作りや、アカマツの大木から出た流木を使ったナイフレスト作りなど、以前はキャンプ場の所長を務めたという柳沢林業の若林悠平さんのアイデアは、山遊びを極めた人ならでは。スノーボーダーとしてこの地を訪れ、山好きが高じて林業会社に就職。樹木医の資格も持つ現在は営業企画担当として幅広く業務に関わっている。
「木工場の裏には、僕らの仲間である働く馬のヤマトがいます。一緒に木を運んだり、畑を耕したりする馬で、前身は北海道ばんえい競馬で活躍した競走馬でした。ぜひヤマトにも会いにきてください」
ご相談・ご質問等ございましたら、
お気軽にお問い合わせください。